4cc9a4c7.jpg[私のスマホから直接投稿できなくなったため、18/10/24 1:にメールで下書きしたものに、さらに加筆して、18/11/4 23:04にPCから掲載したものです。]
17.11.4に(株)萬繁で買いました。富久娘酒造製で、2017.9製です。

味はやや淡麗やや甘口で、一応押し入れに入れていたのですが、ちょっと劣化が始まっていて、常温だとくどさや後味の苦味が少し気になりますが、冷やせば多少は抑えられます。ぬる燗でも旨味はそこそこあるものの、ちょっと辛さが前に出過ぎる感じで、個人的には冷酒がベストです。ただ一升飲みきるのに1週間以上かかり、その間も徐々に劣化が進んでいったため、最後の方はちょっとしんどかったです…。

刈谷市発祥ながら、近年は刈谷市内でもほとんど見つからなくなっていて、ネット上でも旭化成大仁酒類工場時代富久娘酒造時代の商品は、私がアップした写真しか見つからない状況ですが、オエノングループのサイトに掲載されていた情報では、『創業者と親交のあった御歌所寄人(おうたどころよりうど)、板正臣が詠んだ和歌「日に匂ふ、かぎりを菊の世界かな」にちなみ、明治5年に発売』された銘柄で、『アルコール分:15%/日本酒度:+1.0/酸度:1.2』です。菊源氏の佳撰もスペックは同じだったようなので、近年は中身は共通化されていたようです…。

今は亡き「まるかどめるかど」の一覧(インターネットアーカイブ。蔵元のページはアーカイブ漏れしていたため、保存していなかったのが悔やまれます…)を参考に醸造元の変遷を表記すると、『廣瀬(名)刈谷支店(刈谷市広小路5丁目。明治村のページによると明治28年に碧南市から移築され、昭和44年に解体し、明治村が保存したもので、それ以前は不明。本社は名古屋市南区本星崎223にあった模様)』→『東洋醸造(株)名古屋工場(西加茂郡三好町大字福田字池田61番地。医薬品部門は旭化成ファーマ(株)名古屋医薬工場として現存)』→『旭化成工業(株)大仁酒類工場(静岡県田方郡大仁町三福632-1。医薬品部門は旭化成ファーマ(株)大仁医薬工場として現存)』→『富久娘酒造(株)灘工場(兵庫県神戸市灘区新在家南町3-2-28。チューハイ部門はオエノンプロダクトサポート(株)として現存)』となっています。

2017年末をもって富久娘酒造が酒蔵を閉鎖して、福徳長酒類の韮崎工場に移管してオエノンプロダクトサポートとして酎ハイの受託醸造に特化しているのですが、オエノングループの清酒事業発祥の地であるにもかかわらず、灘からオエノングループの酒蔵が姿を消したのとともに、非常に残念だったのが、菊の世の廃止で、145年の歴史あるブランドで、父親の出身地でもある刈谷市発祥のブランドであった菊の世が姿を消したのは、相当ショックです。